米農家と小売業者 6
そして、凶作下の刈り取りがはじまり、大型コンバインがAさんの田んぼに入りました。
しかし、1日使っただけで、コンバインは農協の手によって回収されました。
Aさんが契約以降、92年産米を精米して、販売したという理由からです。
Aさんは怒り心頭。
農協が突如として建前を振りかざし、しかも、契約の適用外のはずの前年のコメのことでクレームをつけてきたからです。
こうして、双方の関係が決定的に悪化してしまったのです。
コメ作りに生活をかけている専業嚢のAさんのコメの収量は、冷害に見舞われたにもかかわらず、平年の半分ほどはありました。
岩手県全体の作況指数30からすれば、大変な健闘ぶりで、水田23ヘクタールからの総収量は約800俵でした。
例年、予約数量の7割は農協に出荷していたそうですが、今回はコンバインをめぐるトラブルから、農協への出荷をとりやめました。
すべて、自分の力で販売することにしたというのです。