通信業界の仕組み
長距離分野は最も利益の上がるおいしい領域でした。
電電公社時代から長距離でもうけ、地域へ補助するコスト構造が続いていたからです。
それに引き換え、地域はコスト的に引き合わない事業領域でした。
加入者宅までケーブルを引くのは、どう見ても割に合わない事業でした。
新電電側に地域へ進出しないのはなぜか、と求めるのはしょせん無理な話でした。
・・・ですから、「だれもおかしいと言わない行政指導がなぜ悪いのか」と官僚たちは反論します。
確かに、だれも業務区分があることに文句は言わなかったのです。
しかし、言わなかったのではなくて、言えなかったのだとしたら話は違います。
通信業界ではしばしばこんなことが囁かれていました。
「物言えば唇寒し。江戸の仇は長崎で討たれる」。
インターネットFAXなどありとあらゆる通信サービスが認可制のもと、官僚たちの匙加減ひとつで決まる仕組みのなかで、だれ一人官僚にもの申す事業者は出なかったのです。