美術と信仰 2
クレタ人もオリエント系の自然崇拝を守るけれども、ここの自然は全く異なっていました。
巨大、悠久、神秘といったものはエーゲ世界の自然にはありません。
山と海とが交錆して小規模で変化に富んでいます。
ここでは人は自然に圧倒されることなく、親しみやすく穏やかな姿であって、その変化に対応できます。
高い山から海までの高低の差をもつ小天地には動物も植物も多様であり、猛獣も稀だし怪奇はありません。
この高低と地形、四季、生物相の変化から、-前にのべたように自然の本質をその変化のなかに認めた。
表面的な変化、すなわち現在的で動くことに生命の証をみました。
そこで、人は静でなく動こそ生命の姿と理解するようになりました。
また海上貿易に依るエーゲ的生活様式は海洋民を育てました。
すべての住民が海上で活動するのではなくとも、常に海は近くにあり、その海は島が多く、親しみやすいものです。
もっとも冬期の厳しさはあっても・・・。