米農家と小売業者 5
しかし、コメの産直販売をはじめてから、Aさんと地元の農協との関係が悪化。
93年の大凶作時にそれが一気に進み、とうとう断交状態となっているのです。
両者の衝突の経緯はこうです。
農協が、国の補助事業を活用し、大型コンバインを5台購入。
それを地元の中核農家に格安で貸し付けていました。
ところが、あまりに大型のため使いこなすことができず、農協に返却されました。
使い道に困った農協は、Aさんに話を持ちかけ、年間120万円のリース料で契約がまとまりました。
10月下旬の収穫時から使用するため、93年9月下旬に双方が契約を取り交わすことになりました。
ところが、条文にこんな項目があったのです。
「収穫したコメを全量、農協に出荷すること。これに違反した場合は、コンバインを引き揚げる。」
Aさんは5年前から自由米の販売を手がけ、世間に広く知られています。
もちろん、農協も食糧事務所もそのことは承知していることです。
Aさんは、引っかかるものがありながら、そのままサインしました。